長寿大国日本と言われていますが、決して全ての高齢者が健康に長生きしているわけではありません。実際に介護やリハビリなど何らかの医療サポートを受けている高齢者は多く、医療系の仕事は今後ますます増えてくることが予想されています。
そこで今回は、将来性のある医療系の資格をいくつかご紹介するとともに、資格取得の流れや就職先などについてもお伝えします。
医療系の資格には将来性があるのか?
近年は平均寿命が延びていることから「人生100年時代」などと言われていますが、自立した生活を送れる健康寿命は平均寿命よりも約10年短いとされています。つまり、人生100年時代の最後の10年はなんらかの医療サポートを受ける可能性が高いということです。
このような背景から、今後ますます医療系の仕事が増えてくることは容易に予想できます。数ある医療系の仕事の中でも特に国家資格が必要な仕事に関しては確実に需要があるとされ、資格のある/なしによって業務範囲や収入が変わってくるので、やりがいを持って長く仕事を続けるためには国家資格の取得を考えた方がいいでしょう。
テクノロジーの発達によって世の中にある仕事の大部分はAIに代替されるという説もありますが、医療系の仕事は“人の手”を介さないと不可能な部分も多く、そのような意味で医療系の仕事は将来性があると言えます。
将来性のある医療系分野の資格とは?
医療系の資格
医師
医療系資格の中でも最高峰、国家資格の中でも最難関の資格が医師国家試験です。医師国家試験を受験するには医科大学(医学部)を卒業していることが条件なので、社会人になってから資格取得を目指す場合は新たに医科大学へ入学し、6年間の専門教育を受ける必要があります。医師国家試験に合格したら、さらに研修医として2年間の勤務を経てから、晴れて医師になることができます。
看護師
看護師になるには大学や看護大学や看護師養成所などで3年以上の専門教育を受けて、看護師国家試験に合格する必要があります。看護師になってからも特定の看護分野において深い知識と熟練した看護技術を持つ認定看護師や、患者や患者の家族などに対して質の高い看護ケアを行う専門資格である専門看護師を目指すなどのキャリアステップがあります。
薬剤師
薬剤師になるには大学の薬学部や薬学科などで6年間の専門教育を受けて、薬剤師国家試験に合格する必要があります。薬剤師となったら院内薬局や院外薬局での薬の調剤と患者に対する薬の情報説明と服用指導をします。他に製薬会社で新薬開発の研究や実験をする薬剤師や、化粧品会社で成分の研究や薬事申請対応をする薬剤師など、活躍の現場は多岐に渡ります。
リハビリ系の資格
理学療法士
理学療法士国家試験の受験資格を得るためには、文部科学大臣指定の養成校(専門学校や大学など)で3年以上学び、決められた課程を修了する必要があります。理学療法士の仕事は
身体機能の改善・向上に加え、家族への介助指導や生活環境改善のアドバイスまで担うなど、資格不要のトレーナーよりも専門的なアプローチを行います。
作業療法士
作業療法士国家試験の受験資格を得るには、文部科学大臣指定の養成校(専門学校や大学など)で3年以上学び、決められた課程を修了する必要があります。
作業療法士の仕事は障害のある人、身体機能の低下や認知症によって介護を必要とする高齢者などに対して支援やリハビリを行うことです。理学療法士が「日常的な生活において必要な基本動作を回復させること」を目指すのに対し、作業療法士は、基本動作のできる人に「日々の生活に必要な応用的動作・社会適応能力を回復させること」を目指します。
介護福祉士
介護福祉士の受験資格を得るには、「介護福祉士実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「養成施設(四年制大学、短期大学、専門学校)ルート」の3つのルートがあります。
介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法により定められた介護系資格唯一の国家資格です。法律によると、介護福祉士は「専門的知識及び技術をもって、身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと」と定義されています。
鍼灸・柔整の資格
柔道整復師
整骨院や接骨院の開業権を持つ柔道整復師は、近年注目されている国家資格の一つです。
柔道整復師は打撲・ねんざ・骨折といったケガに対して、手術や投薬をせずに自然治癒力を生かした治療を行う仕事です。
柔道整復師の受験資格を得るには、高校を出て、専門の養成施設または4年制大学で指定された専門科目を履修する必要があります。国家試験に合格した後は、自分で開業する以外にも、整形外科医院などに勤務することやスポーツトレーナーとしてプロのチームに所属するなど、様々な勤務形態があります。
鍼灸師
一般的に鍼灸師とは、はり師・きゅう師の2つの国家資格を持っている人を指します。
はり師・きゅう師になるためには、はり師・きゅう師になるための専門の養成施設に入学し、基礎知識や専門知識を学ぶ必要があります。養成施設の卒業後に国家試験に合格し、はり師・きゅう師の免許証の交付を受けることで鍼灸師として働くことが可能です。
鍼灸師の仕事は、東洋医学に基づいて、“はり”と“きゅう”を用いて治療を施すことで、患者自身の自然治癒力を高めます。はり師は専用のハリを患者のツボに刺した刺激によって、きゅう師はお灸をすえて熱の刺激で治療します。
独立して鍼灸院を開業する以外にも、整形外科医院などに勤務することやスポーツトレーナーとしてプロのチームに所属するほか、最近では美容鍼灸サロンを兼ねたエステサロンに勤務するなど様々な勤務形態があります。
医療技術系の資格
放射線技師
放射線技師になるには、専門学校や大学などで放射線技師に必要な知識・技術を学んだ後、国家試験に合格する必要があります。
診療放射線技師は、レントゲン検査やMRI検査・消化管造影検査などの画像検査、放射線によるがん治療、放射線機器の管理、放射線被ばく管理などを行います。就職先としては病院やクリニックなどの医療機関の他に医療機器の企業や電力会社などがあります。
臨床検査技師
臨床検査技師になるには、専門学校や大学などで臨床検査技師に必要な知識・技術を学んだ後、国家試験に合格する必要があります。
医師が治療をするときに必要な患者の臨床検査を行うのが臨床検査技師の役割です。就職先としては病院やクリニックなどの他に製薬メーカー、食品メーカー、医療機器メーカーなどがあります。
臨床工学技士
臨床工学技士の受験資格を得るには、臨床工学技士養成課程のある養成校(大学、短大、専門学校)で決められた課程を修了する必要があります。なお、臨床検査技師や看護師などの養成校を卒業していれば、臨床工学科など専攻科で1年以上学ぶことで受験資格が得られます。そして、国家試験に合格すれば臨床工学技士として病院などで働くことができます。
臨床工学技士は人工呼吸器や人工心肺装置、人工透析装置など、患者の命にかかわる医療機器(生命維持管理装置)を、医師の指導のもとで操作し、その機械類の保守・点検を行うという大変責任のある仕事です。就職先としては高度な医療機器を備えた病院の手術室や集中治療室(ICU)、人工透析を専門に行う透析クリニックの他、医療機器メーカーなどにも臨床工学技士の資格と経験を生かした仕事があります。
医療系分野における3種類の資格とは
医療系の資格は、大きく「国家資格」「民間資格」「公的資格」の3つに分類されています。それぞれについて、以下に解説していきます。
国家資格とは
国家資格は国によって認定される資格であり、国家資格を保有していることで社会からの信頼も得ることができます。医療系の国家資格には医師や歯科医師など難易度が高いものが多く、国家資格保有者は法律によって一定の社会的地位が保証されるなど就職で有利な立場にあるとされています。
医療系分野における代表的な国家資格としては医師、歯科医師、歯科衛生士、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、鍼灸師、柔道整復師、薬剤師などがあります。
民間資格とは
民間資格は民間の団体や企業によって独自に認定される資格です。知名度が高く汎用性のある資格から、あまり広く知られてない専門性の高い資格まで様々あります。
医療系分野における代表的な民間資格としては臨床心理士、細胞検査士、メディカルケアワーカー、医療環境管理士などがあります。
公的資格とは
公的資格は国家資格ではありませんが、民間団体や公益法人が実施し文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣が認定する資格なので社会的信用の高い資格と言えます。
医療系分野における代表的な公的資格としては准看護師、応急手当指導員、ケアマネージャーなどがあります。
国家資格がおすすめな理由
先述したように、医療系の資格には「国家資格」「民間資格」「公的資格」の3つがありますが、これから取得を目指すのであれば「国家資格」が断然おすすめです。
国家資格は法律に基づいて個人の能力や知識を判定し、国家試験で一定の水準を満たした人だけが持つことができるので、いわば国による“お墨付き”ということになります。
国家資格の多くは特定の職業に就くことができると証明するものなので、それらは業務独占資格になります。典型的な例を挙げると医師や弁護士などが業務独占資格であり、その業務には有資格者以外携わってはいけないと決まっています。
そして、業務独占資格ほど稼ぐことができることも事実です。国家資格を持っていることによって仕事には困らないだけではなく、就職先では国家資格保有者ということで高い給与や手当が期待できます。
医療系で将来性のある国家資格を取るには
国家資格を取得するためには、国家試験を受験して合格する必要がありますが、ほとんどの国家資格では受験資格として教育機関で専門教育を受けていることを条件としています。ここでは理学療法士を例にとって大まかな流れをご紹介します。
1年次:基礎分野
基礎分野及び専門基礎分野の学習
見学実習
2年次:専門基礎分野
専門基礎分野及び専門分野の学習
体験実習
3年次:専門分野・評価実習
専門分野を深く習得する
計測実習
(実習期間1週間、関連実習病院・施設)
医療・福祉施設で実際の患者様に触れ、検査・測定を行う
評価実習
(実習期間4週間、関連実習病院・施設)
実際の患者様に必要な評価項目を検査し、問題点について考察する
4年次:臨床実習・卒業研究
卒業研究
臨床総合実習
理論と技術の総まとめ
実際の患者様を対象に、現場で理学療法の評価・治療の計画立案・訓練を行い回復へ導く
国家試験対策
勉強方法の指導、模試の実施、傾向と対策など合格に向け万全の対策
参照:「千葉医療福祉専門学校.」資格取得までの流れ
http://www.asunarogroup.jp/school/course/flow/
まとめ
医療系の資格取得を目指すのであれば断然国家資格がおすすめです。医療系の国家資格を取得するためには、専門学校や大学などで目指す資格に必要な知識・技術を学んだ後、国家試験に合格する必要があります。資格ごとにたくさんの専門学校がありますが、学校ごとにカリキュラムや教育内容が異なるので比較検討してから慎重に決めることをおすすめします。
私たち東日本医療専門学校は「柔道整復師」と「鍼灸師」の資格取得に特化した専門学校です。通常の「柔道整復師」と「鍼灸師」になるための学びに加え、スポーツリハビリに特化した専門的な知識や技術を学ぶことに力を入れているので、スポーツリハビリトレーナーを目指す方にとっては最適な環境となっております。
国家資格取得率は柔道整復スポーツ科学科で87.1%、鍼灸スポーツ科学科で100%を達成しており、厚生労働大臣認定校でもあるのでカリキュラムの充実度はトップクラスとなっています。
東日本医療専門学校には以下の大きな4つの強みがあります。
・スポーツ関連科目を徹底網羅
・プロスポーツ研修で現場の仕事を生身で体感し学修できる機会が充実している
・「クラス担任制」&「マンツーマン指導」で国家資格合格へ導く万全なフォロー体制
・1年次から段階的な「国家試験対策」を徹底し、合格へのステップアップを実現
医療系の資格を取得し、将来的に医療の現場で活躍されたい方は是非お気軽にご相談ください!
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